あらゆる選択肢を IAEA、福一を調査 汚染水問題に助言

福島第一原子力発電所事故炉に関するIAEAレビューミッションのサマリーレポートが4日、公表された。一行は11月25日〜12月4日、現地調査や関係者との意見交換を行い、評価事項と助言をまとめ茂木敏充経済産業相に提出した。(写真は現地の地上タンク付近を調査するIAEAチーム)

今回のレビューでは、特に、汚染水対策や4号機使用済み燃料プールからの燃料取り出しなどの直面する課題について、評価、助言を受けることを目的とした。4号機使用済み燃料プールからの燃料取り出しについては、「事故現場の長期安定性を確保するため不可欠」として、廃炉準備に向けての成果を認めた。一方、汚染水の量が増え続けていることに関しては、「さらなる管理のために、あらゆる選択肢を検証すべき」などと東京電力に対する助言を述べている。また、サイトにおける長期的な安定に向けて、廃棄物管理の解決策を開発するよう求め、廃棄物の特性把握のための試験施設を設立すべきとしている。技術課題への対応については、原子炉の漏えい箇所特定のための遠隔操作技術の開発を、「格納容器補修に向けて重要な一歩になる」などとしている。

全行程を終え、団長のJ.C.レンティッホ氏(IAEA核燃料サイクル・廃棄物技術部長)は、「われわれは長期間のプロセスの始まりの段階にいるものの、日本は状況に対するよりよき理解と課題に対応するために何が重要であるかということへの理解が進みつつある」と進捗状況を評価した。

レビューミッションの最終報告は、1月末までに、日本へ提出される予定だ。

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レビューミッションの一員として来日したIAEA海洋モニタリング専門家は、分析機関の現地視察、関係省庁との意見交換を行い、海外機関とのクロスチェック、データのわかりやすい公表、連続海水モニタリングシステムの設置などを助言した。


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