PRAの活用が議論に 自主的安全向上 論点・方向性まとめ

原子力事業者による自主的安全性向上を検討する経済産業省の有識者ワーキングループは10日、これまでの論点と方向性を整理し、今後、米国産業界のINPO(原子力発電運転者協会)や、NEI(原子力エネルギー協会)の有識者からのヒアリングを通じ、さらに議論した上で、年度内に最終報告を取りまとめることを確認した。

同グループは、福島第一原子力発電所事故を踏まえ、「安全神話」と決別し、規制水準を満たすだけでなく、産業界の自主的かつ継続的な取組により、より高い安全性向上を目指すよう7月から検討を行ってきた。

今回の事故が、「原子力利用全体のリスクガバナンスのあり方に大きな疑問を投げかけた」との問題認識から、今後の議論の方向性では、自主的・継続的な安全性向上に向け、まず、経営トップのコミットメントのもと、質の高いリスクマネジメントの存在を大前提として述べている。その際、重要なリスク分析ツールとして、PRA(確率論的リスク評価)の実施と適切な相互レビューによって必要な情報を整備すべきとしている。

ワーキングループ委員や、オブザーバー参加の事業者からは、PRAの活用に関し、「『10のマイナス何乗』といった数値に基づき、脆弱な部分をどうするのか」といった指摘や、安全目標との関連、公衆とのコミュニケーションでの扱い方などに関し多くの意見があり、今後の議論に資することとなった。


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