小型炉計画で圧力容器発注 アルゼンチン

アルゼンチン原子力委員会(CNEA)は3日、同国が独自開発している電気出力2.5万kWの一体型PWR原型炉「CAREM25」について、圧力容器を国内の大手エネルギー事業会社であるIMPSA社に発注したと発表した。

契約総額は3億9800万ペソ(約65億円)で、炉内構造物の製造・据え付けも含まれる。調印にはCNEAとIMPSA社の幹部に加え、計画投資サービス省のJ.デビド大臣を始めとする同国閣僚らが同席。アルゼンチン国内で原子炉圧力容器を設計製造するのは初めてのことで、同国のみならず南米の原子力産業界にとっても画期的な出来事だとしている。

設計寿命60年を想定した「CAREM25」プロジェクトは、計画投資サービス省の主導によりCNEAが設計から建設まですべて国内で進めている。総投資額は35億ペソ(約572億円)で100%政府予算により賄う計画。首都ブエノスアイレスから115km離れたリマ町で建設しており、受動的な安全系と残留熱除去系を装備予定であるほか、1次冷却系も自然循環を活用する。

IMPSA社が製造する圧力容器は直径3.5m、高さ11mの円筒型となる計画で、重さは約200トン。CNEAの現在の日程では、2016年の前半にコールドテストを実施し、17年後半に最初の燃料を装荷することになる。


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