「使用済み燃料管理に課題」 サイクル考えるシンポ NRC委員長が講演

米国原子力規制委員会のアリソン・マクファーレン委員長(=写真)が5日、朝日新聞主催の核燃料サイクルを考えるシンポジウムの冒頭で講演し、福島第一発電所事故の教訓から、使用済み燃料管理の重要性とともに、原子力開発を進めるに際し、計画の当初からバックエンド対策を検討しておく必要を訴えるなどした。

マクファーレン氏は、福島発電所事故で、使用済み燃料プールの冷却が問題になったとしたほか、米国内で今後、多くの原子炉が廃止に向かうことから、「使用済み燃料がますます危急の問題」となるとし、燃焼度が上がった場合の影響、輸送の問題、キャスクの経年劣化などを検討課題に掲げた。また、高レベル放射性廃棄物の地層処分に関しては、ブルーリボン委員会の経験を踏まえ、透明性ある組織と独立した監視機能のもとで進められる必要を強調した。

講演に続き、「プルトニウム利用と核不拡散」、「再処理の経済性と安全性」、「廃棄物処理の社会的問題」をテーマに、国内外パネルリストによる討論が行われた。核不拡散関連では、六ヶ所再処理で精製されるプルトニウムに対する他国からの疑念、一方で、NPT体制、核セキュリティの強化、新興国協力での日本の貢献に期待する声もあった。また、再処理の安全性では、外部攻撃に対する頑健性など、海外からの指摘があった。


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