エネ安全保障めぐり 日本エネ会議がシンポ 石油危機から40年で

第1次オイルショックから40年を契機に、日本のエネルギー安全保障について考えるシンポジウムが3日、都内で行われた。有識者らで構成する日本エネルギー会議が主催。

シンポジウムではまず、日本エネルギー経済研究所特別顧問の田中伸男氏が基調講演に立ち、最近IEAが発表した「世界エネルギー見通し2013」(WEO2013)について説明し、化石燃料依存が続く世界の2035年頃までのエネルギー情勢を述べた。その上で、日本のエネルギー供給の現状に関して、産油国から多くの船が通るホルムズ海峡が封鎖される事態が起きた場合、原油価格の高騰に伴い、経常収支赤字は6兆円に上るなどと経済影響を危惧し、原子力発電再稼働の必要を訴えた。

続くパネルディスカッションでは、オイルショック時に、三木副総理の中東諸国ミッションに同行したエネルギー・環境ジャーナリストの最首公司氏が登壇した。同氏は、1973年10月の第4次中東戦争開始でパニック状態に陥った当時、「資源がないことを実感した」としたほか、ミッションに同行し、「いかに中東を知らなかったか」などと振り返った。

これに対し、田中氏は、通産省入省間もない当時、「家の押入れにトイレットペーパーがたくさんしまってあった」などと振り返り、「パニックを想定しておく」教訓として、IEAの石油備蓄政策がとられ始めたほか、国内では省エネの流れとともに、「ムーンライト計画」や「サンシャイン計画」といった技術開発が進められてきたことなどを述べた。

最近の中東のエネルギー情勢に関して、最首氏は、シェール革命や福島原子力事故などから、サウジアラビアが原子力導入に慎重になりつつあるとも述べている。


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