ニュースケール社の設計選定 米政府のSMR開発支援計画

米エネルギー省(DOE)は12日、オレゴン州を本拠地とするニュースケール・パワー社が開発している小型モジュール炉(SMR)を米国政府が商業化支援する2件目のSMR設計に選定したと発表した。昨年11月に選定したバブコック&ウィルコックス(B&W)社のSMR「mPower」と合わせて、5年計画で設計エンジニアリングや米原子力規制委員会の設計認証(DC)取得、および2025年頃の商業運転開始を支援していくことになった。

この支援プログラムは、米国が独自に開発・製造したSMRで輸出の機会を獲得するとともに、世界のクリーン・エネルギー・レースにおける米国の競争力強化を目的としたもの。産業界とのコスト折半により有望なSMR設計2件について20年代の商業化を目指しており、総額4億5200万ドルを連邦予算から手当てする。

ニュースケール社のSMRは自然循環による炉心冷却など、固有の安全性を備えた出力4.5万kWの小型一体型PWRとなる予定。サイト外の工場で製造・組み立てたモジュールを鉄道や船でサイトに輸送し、最大12基組み込むことにより54万kWまで出力の拡大が可能だ。

開発チームには大手EPC契約企業のフルアー社のほかに、大規模な原子力供給チェーンを有する英国のロールス・ロイス社が参加。サウスカロライナ州にあるDOEのサバンナリバー・サイトで初号機の建設を計画している。


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