減容化システム開発 アクトモア 汚染土壌を大幅削減へ

除染研究を行うアクトモアはこのほど、除染時に大量に排出される放射能汚染土壌を、小さな粒子に付着しやすい放射性セシウムの特性を利用し、土壌をふるいにかけ放射能濃度の高い土壌と低い土壌に分ける減容化システムを開発した(=写真)。この方法により、全体の70〜90%を占める低濃度土壌を再度農地に戻すことが可能となるほか、現在問題となっている放射能汚染土壌の仮置場や中間貯蔵施設に保管する土壌そのものを抜本的に減らすことも期待できる。

減容化の原理と流れは、まず、土壌を水と混ぜて、スラリー(泥水)にし、粘土塊細粒化剤を加えて、粒を細かくする。さらにスラリーを細かな網目で、セシウムの吸着していない低濃度(8割)と吸着している高濃度(2割)とに分離、高濃度側に排出される粘土土壌と処理水をろ過する。

放射能の計測や被ばく管理などのシステムオペレーションは、ウクライナでも定評のあるサードウェーブの安全環境事業部が支援、福島県飯舘村で公開の実証実験を行った。

11月に行われた試験ではセシウム137とセシウム134の合算で1万2334ベクレル/kgだった土壌が、一度システムを通すことにより、2684ベクレル/kgまで放射能量を減らした土壌に分別できた。これは再度減容化システムを通すことで、さらに数値を下げることも可能だ。デモ機では、2立方mを約1時間で処理することが可能。システム自体は大規模化が可能で、実現できればさらに多くの土壌処理も可能になる。


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