ロシアと原子炉供給契約 フェンノボイマ社のハンヒキビ計画

フィンランドのピュハヨキでハンヒキビ原子力発電所1号機の建設を計画しているフェンノボイマ社は12月21日、ロシアのロスアトム社傘下のルスアトム・オーバーシーズ社と原子炉供給契約を締結した。出力120万kWの最新ロシア型PWR(VVER)である「AES―2006」を2024年までに運開させるという同計画は、最終的な投資決定協議がいよいよ大詰め段階に達している。

フェンノボイマ社は現在、60の電力多消費産業企業で構成されるボイマオサケイティエSF社の所有となっており、これらのうち45社が昨年11月に同計画の継続を条件付きで決定。今年の2月末を目処に、この判断の再確認となる最終投資決定を行う予定だ。

フェンノボイマ社はまた、「マンカラ」と呼ばれるフィンランド特有の協同組合型・発電事業会社であるため、株主達は出資分に応じた電力購入権を有する一方、資本費を負担。ハンヒキビ計画では株主向けの電力価格は1MWhあたり50ユーロ以下となる見通しだが、これにはすべての発電コストのほかに減価償却費、負債利子、および廃棄物管理費が含まれるとしている。

今回フェンノボイマ社は、ロスアトム社と結んだ供給契約の額を明らかにしていないが、同社とは関連する2つの重要文書にも23日付けで調印した。1つ目は、2012年に同計画から撤退した独E・ON社の保有していたフェンノボイマ社株34%をルスアトム・オーバーシーズ社が引き受けるとともに、配分に応じた責任を負うことに合意した文書。もう片方は、完成原発用の燃料をロスアトム社傘下のTVEL社からフェンノボイマ社に供給するための契約となっている。

ボイマオサケイティエ・グループの中には原子力専門の発電事業者がいないことから、E・ON社が撤退した際はフェンノボイマ社が原子炉を建設・運転する技術的能力や経済力に疑念を抱く声もあった。しかし、同計画の建設段階ではロシア国営の原子力総合企業であるロスアトム社が社債発行による資金調達を実施予定。フェンノボイマ社はロスアトム社の果たす役割は非常に重要との認識を示している。


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