主要機器開発進む 目標性能クリアへ順調に

定常的に、安定した運転をするため、プラズマから燃えかすのヘリウム灰や不純物を取り除く純化装置であるダイバータも重要機器のひとつで技術課題が多い。プラズマに向き合う(対向)する機器であるため高熱負荷に耐える必要がある。日本の担当は外側垂直ターゲットで、まさに高熱負荷に耐える支持構造部だ。ITER計画では現時点で最有力の材料であるタングステンの合金材をフルに活用することが提案されており、冷却するための機器など異種の材料を強固に接合する技術を中心に製造品質の高さが求められる。JAEAと受注メーカーが一体となって3次元高温拡散接合(HIP)など高度な技術を駆使し、その性能をJAEAの試験施設で評価することで製造プロセスを確立。直近では、実機のプロトタイプを製作、ロシアの研究所で高熱負荷試験を実施した結果、ITERの目標性能を満たす良好な結果を得た。2014年中にはいよいよ実機製作を開始する計画。

このほか主要装置では、プラズマの加熱・電流駆動を行うための加熱用中性粒子入射装置(HNB)について日本は、電源や絶縁装置など枢要な部材を分担。これまでにJT−60装置での開発経験に基づき大電流のビーム加速や絶縁性能等の技術課題を着実に解決して、要素技術でITERの目標とする性能を満足する実験結果を得ているという。今後トータルシステムでの実証試験をJAEA及び欧州研究機関の試験施設で行い、性能を確認したうえで、実機製作に入る。


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