炉材料開発も進捗 IFMIF 青森・六ヶ所村で要素技術開発

ITERの先を見据えると、核融合材料の開発には、第1壁・ブランケット構造材料などが14MeVという中性子重照射にどんな影響を受けるのかデータを構築する必要がある。そこで14MeV中性子の照射環境を模擬できる国際核融合材料照射施設(IFMIF)の工学実証・工学設計活動(EVEDA)が青森県の六ヶ所村をサイトとして進んでいる。(写真は六ヶ所村の開発試験棟)

ITER計画に並行した、幅広いアプローチ(BA)活動として日欧の協力で進められている。加速器はじめ材料に照射する設備、照射後に分析を行う設備などを整備し、ITERの先の原型炉を視野に入れて必要なデータを構築するのが目的。JAEAや日欧の大学、研究機関などの連携体制で要素技術開発、及び施設全体の詳細な工学設計を実施する段階にある。加速器により発生させた40MeVの重陽子を高速で流れる液体リチウムに入射し核融合炉環境を模擬する中性子を得る方式で、重陽子を9MeVまで加速する実証試験は当初計画を延長して2017年にかけて実施される計画。このほど欧州で製作されていた加速器の初段である入射器が六ヶ所村の試験棟に搬入、準備が進んでいる状況だ。日本が分担していた液体リチウムの試験は震災の影響があり当初計画が延長されたが2014年夏をメドに試験を終える予定だ。

それ以降の計画は今後具体的に検討されるが、ITER計画で積み残し課題になる発電用ブランケット開発を中心に材料特性のデータがないと原型炉開発を進められなくなるため、日本としても核融合開発研究の主要課題として今後の計画を具体化することになりそうだ。


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