日立製作所が納入 名古屋の拠点に陽子線治療装置 スポットスキャン 最新技術で治療開始

日立製作所が保健・医療・福祉の総合的エリア「クオリティライフ21城北」(愛知県名古屋市)内に建設を進めている名古屋陽子線治療センター(=写真上)で、7日、最先端の「スポットスキャニング照射技術」による治療が開始された。

日立製作所が国内の陽子線がん治療施設として初めて「スポットスキャニング照射技術」を適用した「陽子線治療システムPRBEAT―V」によるもので、同社が納入した同システムは、名古屋市が整備する「クオリティライフ21城北」の中核となるものだ。

13年2月に既に治療が開始された二重散乱体照射方式に続くスポットスキャニング照射方式は、患部標的に線量を集中させ、ほぼ100%のビーム効率で不要被ばくの低減が図れるほか、これまで患者ごとに準備が必要だった器材も不要となり、治療時間の短縮も可能となる。

名古屋陽子線治療センターには、これで3つの照射室が整備されたが、日立製作所では、現地に運転監視・保守・維持管理組織(SMO)を設置し、点検、緊急時対応などに備えている。

同社の「スポットスキャニング照射技術」を適用した陽子線がん治療システムは、世界最大級のがん専門病院といわれる米国M.D.アンダーソンがんセンターにも受注実績がある。


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