ヨルダンがサウジと協力協定 原子力導入準備などで協力

ヨルダンの国営ペトラ通信は22日、同国とサウジアラビアが原子力平和利用分野における二国間協力協定を締結したと伝えた。ともに原子力導入を目指す中東の両国が、関連研究や人材養成、法整備などの準備作業で協力していく。

同協定への署名はヨルダン原子力委員会(JAEC)のK.トウカン委員長とサウジの「アブドラ国王原子力・再生可能エネルギー都市(KA・CARE)」のH.ヤマニ理事長が実施。ヨルダンにとってサウジは、日本やロシアを含めて13か国目の原子力協定締結国となった。

協力分野は原子力技術や原子炉の設計、建設、運転に関連する基礎的および応用的な平和利用研究の実施など多岐にわたるほか、原材料物質の研究探査や採掘、放射性廃棄物の管理、関連鉱物の開発も含まれるとした。

ヨルダンはサウジのような産油国ではないが、ウランの産出国。現時点で国内での核燃料サイクルは検討していないが、JAECのアラジ副委員長は昨年7月、中東地域でサウジが計画する16基を含め20基程度の原子炉があれば、採算性など濃縮施設を国内に持つ前提は満たされるし、運営はサウジやUAEなどと多国間プロジェクトにするのが現実的だと発言。遠い将来の可能性はあると見られている。

このほか両国は、保障措置技術や革新的な新世代の原子炉技術、核物質の規制、および原子力安全や放射線防護、環境保護分野における法整備と人材養成の準備でも協力。両国の国境付近における原子力平和利用関連施設の許認可と操業について透明性を保証することも盛り込んでいる。

ヤマニ理事長は今回の協定により、専門的知見や情報の収集、双方の原子力規制組織やエネルギー計画施設、教育機関の間で協力調整を図るなど、相互に利益が得られることになると強調した。


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