深地層処分場で小規模の火災 米国

米エネルギー省(DOE)がニューメキシコ州で操業する軍事・超ウラン元素(TRU)廃棄物の深地層処分場において、5日に地下655mの施設内で運搬車両火災が発生したが、6日未明の発表でDOEは同火災が無事鎮火したこと明らかにした。

「米国核廃棄物隔離試験施設(WIPP)」と呼称されるこの施設は、核兵器の生産・研究の過程で発生するTRU廃棄物を永久処分するため、米国が初めて建設した深地層処分場。カールスバッドの東約42km地点の地下655mに存在する古い安定した岩塩層に貯蔵室を掘削し、1999年3月に廃棄物の搬入を開始した。環境保護庁(EPA)による承認の下、地元州政府が10年毎に更新する認可を得ながら順調に操業を継続中であるため、民生用原発の使用済み燃料処分戦略を考える上でも重要な施設と位置付けられている。

DOEの発表によると、5日の午前11時過ぎに地下の岩塩運搬用車両で火災が発生し、緊急時対応訓練を受けた緊急オペレーション・センターが活動を開始。地下にいた従業員は全員、直ちに地上施設に安全に退避した。煙を吸引した数名が地元の病院に収容されたが、2時間後に退院。火災車両の周辺に廃棄物はなく、坑道レスキュー隊の第1班(5名)が出動するとともに、第2班が地上で待機した。

同日午後9時頃には地下坑道に突入した第1班が火災の鎮火と地下大気が清浄に戻ったことを確認した。第2班が再発火防止用の泡材を使用した後、緊急オペレーション・センターと共同情報センターは活動を停止。設備の損害や、従業員および廃棄物搬入作業への影響は最小限に食い止められたとしている。


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