充実の研修設備で実習 原電敦賀総合研修センター 両炉系の知識習得が可能

日本原子力発電敦賀総合研修センターは、2012年10月の開設以来、同社敦賀地区の社員をはじめとして国内外の技術者や研修生など延べ約4000人の受講者を受け入れてきた。若狭湾エネルギー研究センター内福井県国際人材原子力育成センターの研修を一部受託しているほか、2013年4月には福井大学付属国際原子力工学研究所と施設の共同利用や人材育成に関する覚書も交わしている。

同センターの公開研修では、設備保全や放射線管理の基礎および原子力安全等を学習する机上研修や、最新の解析ソフトを活用した教育シミュレーターや保修訓練設備を利用しての実習研修などを通し、安全確保のための活動を最優先する文化や原子炉の安全確保に必要な技術の習得と技能の向上をめざす29のコースが設定されている。日本初の商業炉であるガス炉を作り、PWRとBWRの両炉型を扱ってきた同社の実績に基づく内容を学ぶことができ、廃止措置にともなう解体撤去や放射線管理などの研修にも定評がある。教育シミュレーターを使って過酷事故における炉心溶融に至る経過やプラントの挙動などの知識が得られるのも特色となっている。

また、2012年10月のセンター開所式典では、敦賀市沓見地区に伝わる伝統行事の「王の舞(おのまい)」が地区保存会により披露されるなど、地域とのつながりも大事にしている。

同センターには、電気事業連合会が2015年度を目途に設置予定の「原子力緊急事態支援組織」が設置されるまでの間、資機材の整備・管理や各原子力事業者の操作要員を受け入れて緊急時に備えた操作訓練を行う「原子力緊急事態支援センター」も併設されている。ここでは被災現場の映像撮影や放射線測定ができる調査用ロボット、障害物撤去等の作業用ロボット、車両等の除染ができる高圧洗浄機などの除染資機材、放射線測定資機材などが揃っており、緊急時に備えた体制を整えている。


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