核燃サイクル明確化など 国問研 日米原子力協定で研究報告

日本国際問題研究所はこのほど、18年7月に期限を迎える日米原子力協定の成立経緯と今後の問題点について、日本の核燃料サイクル政策の明確化、プルトニウムバランスの維持、核セキュリティ面の対策などを中心に考える研究報告を発表し、12日よりウェッブサイト(http://www2.jiia.or.jp/RESR/research.php)上での公開を開始した。

同研究所は10年11月にも、日米原子力協定の成立経緯と主要論点に関する報告書を作成しているが、11年3月の福島第一原子力発電所事故発生など、3年間の環境変化を踏まえ、改訂版を出すこととなった。

今回、改訂版取りまとめに当たった同所特別研究員で元原子力委員長代理の遠藤哲也氏(=写真)は、自身が日本側代表として直接関わった日米原子力協定交渉の歴史を振り返り、(1)日米間の信頼関係(2)日本が平和利用をキチッと守ってきたこと――を、日本がNPT非核兵器国のうちで唯一核燃料サイクルを認められた理由としてあげ、今後、日本が核燃料サイクルを推進する上でも、「包括同意は不可欠」と強調している。

18年に期限を迎える日米原子力協定の終了後の選択肢については、(1)自動延長(2)期間延長の法律的手続き(3)新協定締結(4)無協定――が考えられるとして、その満期に臨み、遠藤氏は、(1)日米の信頼関係を強固に構築(2)日本のプルトニウムバランスをしっかりと説明(3)核セキュリティ面の改善――を、念頭に置いて対応すべきなどと、原子力関係者らに訴えかけている。

これらの対処策に関しては、本報告の79頁の「2.今後の問題点と課題」の中で詳しく述べられている。


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