WIN―WINの関係構築へ スペインとの事業交流イベント

日本とスペイン両国の原産協会は3日、在日スペイン大使館経済商務部との協力により両国の原子力ビジネス交流イベントを都内で開催した。昨年10月に原子力セミナーが開催されたのに続き、スペイン企業の有する技術や展開事業の紹介を通じて、両国企業間で相互に恩恵が得られる交流を促進するのが目的。スペイン原産のほか、イベルドローラ、エンサ、テクニカス・レウニダス、テクナトム、ヌシム――の同国を代表する原子力関連企業5社が参加した。

冒頭挨拶で服部拓也原産理事長は、エネルギー資源に乏しい両国がともに早い時期から原子力開発を進めてきた点に触れた。スペイン企業が今や、原子力エンジニアリングや機器製造、廃炉や使用済み燃料、廃棄物対策など広範な分野で技術経験を蓄積し、欧州のみならず中東や南北アメリカ、アジア、ロシアなどともビジネスを展開しているのに対して、日本企業は国内で継続的に原発建設を行うなど、実務的な知見を蓄積してきた。こうした背景から、両国企業の交流と協力は重要な意味を持っていると指摘。相互理解からさらに進展して、廃止措置・廃棄物対策や国際展開などの分野でWIN・WINの関係を構築していくことへの期待を示した。

スペイン原産のA.コルナド理事長は同組織の目標として国内原発で長期間の運転を達成させることを挙げた。この関連で、新たな課税を避けるために2012年12月に運転停止したサンタマリア・デ・ガローニャ原発について、同国内閣が先月、再稼働を可能にする規制修正を承認した事実を紹介。実際の再稼働までには長い道のりを辿ると思われるものの、停止期間中も点検や保守は続けられており、信頼出来る形での再稼働が望まれるとした。

スペインの原子力産業については、競争力があり堅固かつ経験も豊富であると形容しており、すでに40か国以上のエネルギー・原子力計画にスペインの技術が存在する点を強調した。発電に加えて燃料や機器の製造、エンジニアリング・サービスおよび廃棄物管理の分野で同国企業が輸出を主目的に活動しているほか、廃止措置活動が進展中のバンデリョスTとホセ・カブレラ両原発における経験も披露。放射性廃棄物管理と解体の方法では特に、世界基準となる国の1つだと述べるなど、日本に協力可能な技術力をアピールした。


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