暫定検査で内部被ばくの疑い 米WIPP

米エネルギー省(DOE)は2月26日、ニューメキシコ州で操業している軍事・超ウラン元素(TRU)雑個体廃棄物の深地層処分場(WIPP)で、従業員に内部被ばくの可能性が確認されたと発表した。

同月14日の夜に地下655mの施設内で自動大気汚染監査器が放射線を検知した際、地下施設に従業員はおらず、地上施設にいた全作業員について外部被ばく検査を実施した。しかし、WIPPの放射線管理プログラムに従い、放射性粒子を吸引した可能性について暫定的なサンプルで生物検査を行ったところ、13名に陽性との結果が出たもの。

DOEの現地事務所長が地元カールスバッドの自治体に宛てた書簡によると、大気中に出たと思われる放射性物質は主にアメリシウム241。これまでに現場で実施したサンプリングと調査および環境モニタリングでは、大気中の汚染レベルは非常に低いとする国立大気汚染調査センター(NARAC)のモデリングを裏付ける結果を示したとしている。

このためDOEは、暫定検査のみで健康影響や何らかの処置が必要かを推測するのは時期尚早と判断。従業員の累積内部被ばく線量を正確に見積もるため、追加で複数のサンプルを3週間以上かけて分析する方針を明らかにした。また、放射線の検知後、施設内には必要最小限の人員しか立ち入っていないが、15日のシフトも含め、被ばくリスクが大きいとみられる従業員の生物検査に重点的に取り組む考えだ。

なお、被ばくした従業員の家族や友人にはリスクが及ばない点をDOEは保証している。


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