正しいこと知る努力を 櫻井よしこ氏 再稼働を訴える

ジャーナリストの櫻井よしこ氏(=写真)が12日、都内で開かれた原子力と環境問題をテーマとしたドキュメンタリー映画「パンドラの約束」の上映会に先立ち講演を行い、福島復興の課題や世界のエネルギー情勢に関する自身の取材経験を語るとともに、日本における技術の継承や経済力の維持のため、原子力発電再稼働の必要を訴えた。

櫻井氏は、福島被災地を視察した経験から、放射線影響に関し、政治家でも自身と異なる意見をまったく聞き入れない人たちがいることを懸念したほか、チェルノブイリ事故被災地のスラブチッチで、放射能汚染以上に「情報の汚染」が復興を妨げているとする現地住民の声を示しながら、「正しいことを知る努力をしなければ福島の立ち直りは難しい」などと訴えた。

また、米国、ロシア、中国、インドで活発化する高速増殖炉開発の動向にも触れた上で、国内の「もんじゅ」停滞や、原子力発電稼働ゼロの状況から、「日本の原子力を見る実態が閉ざされている」とする一方で、大地震に耐えた福島第二、女川の両発電所を例に、日本の技術力を賞賛し、これらを継承していく必要を強調した。

さらに、エネルギー問題について、櫻井氏は、原子力発電の停止に伴う燃料費増に関し、「1日100億円の札束を燃やしている」などとした上で、経済力維持のためにも、「原子力発電は再稼働しなければならない」と訴えた。


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