日本の若手に期待 リーダー人材育成 各国専門家がエール

原子力安全・核セキュリティの分野でリーダーとなる国際人材養成のセミナーが2月25日、3月7日までの日程で始まった。東京工業大学が進める人材養成プログラム「世界原子力安全・セキュリティ道場」の一環。

セミナー開始に際し都内ホテルで開かれたシンポジウム(=写真)では、米国バークレー原子力リサーチセンターのJ.S.チョイ氏が、福島第一発電所事故炉の廃止措置に関して、日本の若手技術者の取組に期待するとともに、近隣諸国の理解を得ながら進めていくことが必要などと述べた。

ロシアからは、ロスアトム中央生涯教育・訓練所のV.アーショク氏が登壇し、ロシア型VVER原子炉の安全概念とともに、今後の国際展開の意気込みを述べた上で、それら推進力として、人材養成の重要性を訴えかけた。

また、フランス原子力庁特別アドバイザーのJ.ブシャール氏は、使用済み燃料は「埋める」か「燃やす」しかないとした上で、「燃やす」オプションが、資源確保だけでなく、核拡散抵抗性上も重要なことを強調し、同国における再処理、高速炉開発の現状を述べ、実証炉「ASTRID」の10年以内の運転開始や、日本に対する「もんじゅ」稼働への期待をかけるなどした。

これらの発表に対し、「道場」の学生からは、福島原子力事故後の各国世論の動向、マーケティングの強みなどについて、活発な意見・質問があった。


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