陽江1号機が営業運転開始 中国原発、18基・約1,600万kWに

中国広核集団有限公司(CGN)は3月26日、南シナ海に面した広東省陽江原子力発電所で1号機が25日付けで営業運転を開始したと発表した。同炉は昨年12月31日に初めて送電網に併入された後、営業運転モードによる168時間の実証運転を経て、同国18基目の商業炉となった。これにより、中国の原子力発電設備容量は1586万kWに増加した。

設計はCGNが仏国のPWR技術を元に自主開発した100万kW級PWRの「CPR1000」で、初号機は2010年9月に嶺澳U期1号機として運開。その後、同型設計の同2号機が11年8月に営業運転を開始した後、昨年4月に福建省の寧徳1号機、同年6月に紅沿河1号機が後を追って運開している。

これらのほかに、1994年から03年にかけて仏国の原子力企業とCGNが協力して完成させた広東大亜湾1、2号機、嶺澳T期工事の2基を加えると、中国で運転中の原子炉のうち9基までがCGNの所有。原子力設備容量にして59%を占める計算だとしている。

合計6基の建設を想定した陽江原子力発電所建設プロジェクトは08年に国務院が正式承認しており、同サイトでは現在、2〜6号機も建設中。1号機と同設計の2号機ではホット試験の準備が進められているほか、CPR1000設計に経済性や安全性で25項目の技術的改善を施した「CPR1000+」となる3号機が機器の据え付け段階に、また4号機が土木建築工事段階にある。

さらに、31項目の重要技術改善により、第3世代炉の安全技術特性を有する「ACPR1000」として5、6号機の本格的な作業が昨年から始められた。

CPR1000からACPR1000への移行において、CGNは独自ブランド設計から独自の知的所有権を有する原子力技術へのアップグレードを念頭に置いており、国内供給チェーンとの協力により包括的設計エンジニアリング開発チームを組織。国際競争力のある将来の輸出設計となる第3世代の「華龍1号」の開発につなげていくとしている。


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