李首相が国家エネ委で方針 中国、原子力推進に舵 適時、開発計画に着手へ

中国の国家能源局によると、李克強国務院総理(首相)は18日に国家エネルギー委員会の今期初会合を開催し、主要プロジェクトとして東部沿海地域で新たな原子力発電所の開発計画にタイムリーに着手していくとの方針を表明した。

福島第一原発事故直後は原子炉新設計画の承認停止など暫定的に慎重な対応を取っていた中国だが、2012年秋には審査・承認の再開を決定。PM2.5など深刻な大気汚染問題を背景に、クリーン・エネルギー開発の促進とエネルギー需給構造の再構築を目指した大型プロジェクトを実施する方針を打ち出したもの。

李首相によると、東部沿海地域に新設する原発は、国際的な高い安全基準を満たす最新式の安全設備を装備したものとする。その他のプロジェクトとしては主に、水力、太陽光、風力の発電所、および西部から東部への高圧送電線建設が含まれるとし、これらによって安定的な経済成長を保証するとともに、エネルギーの供給保証能力を増強。エネルギー構造の調整にも役立てられると説明している。

李首相はまた、中国が大気汚染撲滅のための戦いを決意したと明言。この目標に向けて電気自動車開発の加速や、温室効果ガス排出要件をクリアしていない石炭火力発電所の改良など、生態系保全対策を強化していく。エネルギー源の多様化も図る方針で、シェールガスやシェール石油といった非在来型の化石燃料開発を促進するとしている。


お問い合わせは、政策・コミュニケーション部(03-6812-7103)まで