PRA活用で討論も JANSI 報告会を開催

原子力安全推進協会(JANSI)は4月24日、これまでの活動成果の報告会を、都内のホールで開催した(=写真)。12年11月に原子力技術協会を改組し発足したJANSIが行う自主的安全性向上の取組や、福島第一発電所事故の教訓などを発表するとともに、協会会員企業や海外有識者からの意見を求め、今後の活動に資するのがねらい。

報告会では、確率論的リスク評価(PRA)の活用に関するパネルディスカッションも行われ、海外事例として、韓国水力原子力発電のナ・ジャンファン氏と台湾電力核能安全處の呉永富氏が、原子力発電におけるPRA適用の効果、問題点などを述べた。JANSIからは、安全性向上部長の倉田聡氏が登壇し、かつて国内でPRA導入の気運が高まった時期を振り返り、安全性も経済性も向上するメリットについて、経営層が理解する必要、教育・訓練のインセンティブに言及した。

これに対し、世界各国で原子力発電所のリスク評価に関わった経験のあるウッディ・エプスタイン氏(ロイドレジスターコンサルティング)は、畳の上で泳ぎを練習しても上達しないことを例に、まずはPRAを実施する必要を強調するなどし、日本でも、世界を参考として、PRAを現場での活動に組み込んでいき、リスク低減のツールとして活用していく必要があることで概ね結論に至った。


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