観光ピークも想定し推計 佐賀県他 原災避難シミュレーション発表

佐賀県、長崎県、福岡県は4月30日、共同で実施した原子力災害時における避難シミュレーションの結果を発表した。計52ケースについて、住民らが避難するのに要する時間を推計したもの。3県は、九州電力玄海原子力発電所から30km圏内に位置する。

シミュレーションでは、発電所から概ね5km圏内の「予防的防護措置を準備する区域」(PAZ)と、同5〜30km圏内の「緊急時に防護措置を準備する区域」(UPZ)に居住する住民(約19万人)が5km圏外、30km圏外に自家用車で避難する場合の時間を推計した。

推計結果では、PAZ住民が30km圏外に、その後、UPZ住民が30km圏外に避難する基本ケースで、PAZ住民が5km圏外へ出るまでに1時間25分、30km圏外へ出るまでに9時間15分となり、福島の事例に当てはめた場合、避難指示が出される全面緊急事態の時点から水素爆発発生までの23時間の内に避難可能となった。

また、観光ピークの影響として、域外からの観光客が8万7000人に上る唐津くんちを想定した推計では、PAZ住民が避難指示を受けてから、5km圏外へ出るまでに4時間45分、30km圏外へ出るまでに11時間25分となった。UPZ圏内にいる観光客については、全面緊急事態となるPAZ住民と同時に自家用車で避難を開始するものとして、30km圏外へ避難するまで28時間50分となったが、実際には、より早い段階で、鉄道などの公共交通機関も利用して避難が始まるものとみている。


お問い合わせは、政策・コミュニケーション部(03-6812-7103)まで