ESBWR 年内に設計認証発給 米国の新設計画に弾み

米原子力規制委員会(NRC)は6日、GE日立ニュークリア・エナジー社製・ESBWR(高経済性・単純化BWR)の設計認証(DC)審査で、2011年3月に提案した認証規則の補足部分を意見公募に付したと発表した。6月まで一般からの見解を聴取した後、7月に最終規則案を5人の委員に提示。今年の後半にも同設計にDCを発給する可能性が出てきたとしている。

11年の認証規則案に追加される今回の補足は、蒸気乾燥機の設計分析における変更点をカバー。この装置は余剰水蒸気による発電タービンの損傷を防ぐ機能を有しており、NRCは12年初頭から同装置の設計に関する追加情報をGEH社に要求するとともに、試験を実施してきた。また、今回の補足により、様々な参考文献がESBWRの認証規則案に要件として正式に盛り込まれることになる。

出力150万kWのESBWRはABWRを進化させた第3世代プラスの原子炉設計で、重力を利用した炉心冷却など受動的な安全系を採用。発電所内で全電源を喪失しても運転員の介入なしで7日間以上、原子炉の冷却が可能だという。

現在、米国で建設・運転一括認可(COL)審査中の新設計画の中では、ドミニオン社のノースアナ3号機とDTEエナジー社のフェルミ3号機がESBWRの採用を想定。同設計のDC取得はこれらの計画にCOLを発給するための必要条件であることから、両計画の実現に大きな弾みが付くと期待されている。


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