災害対応シンポジウム 平時から考える訓練を 垣根超えたネットワーク重要

「災害時の真のリーダーシップとは――東日本大震災・アジアの経験から」と題する国際シンポジウム(アジアパシフィックアライアンスとシビックフォースの共催)が13日、東京・渋谷区の国連大学本部で開催され、震災・原子力事故発生時の教訓を踏まえて今後の災害対応に活かすべく各セクターの垣根を超えた協働について議論した(=写真)。

石兼公博外務省国際協力局長は、個人と市民社会、政府などのプレイヤー間で、さらに国内と海外の国際間で、緊密なネットワークを構築することが災害対応のレジリエンスを高めることにつながると強調した。

岡本全勝復興庁統括官は、通常地方自治体が請け負う被災者支援に日本の災害史上初めて今回政府が直接乗り出したとして東日本大震災発災時の対応を紹介。一方で鉄道や電力などのインフラ復旧や病院やガソリンスタンドなどのサービス再開においては民間企業の総力を挙げた協力があり、業界団体の調整により被災していない地域の業務を担当する同業会社が応援に入った例などを紹介した。

福島原発事故独立検証委員会ワーキンググループメンバーの塩崎彰久弁護士は、災害発生時には(1)危機現場からの連絡階層の大胆なフラット化(2)最悪シナリオの想定を通じた危機対応優先順位の明確化(3)危機対応の性質に応じた選択的なトップ介入(4)危機広報における社会との信頼関係維持――の4つを重要なこととして挙げた。

その後のパネル討論では、シナリオに基づかないトレーニングなど考えることを促す訓練を平時から行っておくことや、リソースや機能がどこにあるのか情報を把握しておくことなどが大切との意見が出された。


お問い合わせは、政策・コミュニケーション部(03-6812-7103)まで