数値目標設けぬ節電要請 電力需給 原子力全停、さらに厳しく

政府は16日、夏季の電力需給対策を決定した。原子力発電所が全基停止し再稼働の見通しが立たぬところ、経済産業省の専門家委員会による検証結果を踏まえ、国民生活や経済活動に支障がないよう、エネルギー需給の安定に万全を期すこととし、沖縄電力管内を除く全国で、7〜9月のお盆時期を除く平日9〜20時での数値目標を設けない節電協力要請を行うほか、需給状況の厳しい中部・西日本の電力管内を中心に、火力発電所の総点検を求めることとしている。

関係閣僚らで構成する電力需給に関する検討会合が取りまとめた今夏の需給対策では、昨夏に原子力では唯一稼働していた関西電力大飯3、4号機が停止したほか、電源開発松浦火力2号機のトラブルなどの影響により、電力会社間の融通を行わなければ、関西電力と中部電力の管内では、予備率が安定供給に最低限必要となる3%を下回るといった見通しから、「より大幅に厳しい需給状況を想定した特段の電力需給対策が必要」と危機感を強めている。

これを受け、電力各社では、節電の要請とともに、電力設備の保守・点検に万全を期し安定供給に努めることとしている。


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