低レベル用貯蔵所が完成 英 ドーンレイの環境復旧計画

英国のキャベンディッシュ・ドーンレイ・パートナーシップ社は15日、ドーンレイ・サイト(=写真)の環境復旧計画で建設する6つの放射性廃棄物地下貯蔵所のうち、低レベル用の2つが完成したと発表した。

民生用原子力サイトをすべて所有する原子力デコミッショニング機構(NDA)から同社が2012年に受注した契約によるもの。建設工事を請け負ったグラハム建設から同日、同パートナーシップ、およびその子会社でサイト認可会社(SLC)として廃止措置事業を運営管理するドーンレイ・サイト・レストレーション社(DSRL)に引き渡された。

スコットランド北部に位置するドーンレイ・サイトには、閉鎖済みの高速実験炉DFRや高速原型炉PFR、材料試験炉DMTR、再処理工場などの核燃料サイクル施設が多数残存しており、2036年までにサイト環境を浄化・復旧させる計画が進行中。現在の作業フェーズでは同計画の推進に必要な新しい施設の建設がメインで、廃止措置段階で生じる17万5000立方メートルの低レベル固体廃棄物(LLW)を処分するため、サイト境界の東側隣接区域に最大6つの貯蔵所を建設する計画への許可が09年に発給された。サイト内には既存のLLW浅地層処分ピットも存在するが、サイト操業中に生じたLLWにより90年代に満杯となっていた。

最初の2つの貯蔵所建設でグラハム建設が掘削した岩は、2階建てバス370台〜450台分に相当する24万3000立方メートルに達しており、床部の位置は地下11m。使用したコンクリートや鉄筋、構造鋼材の総量はそれぞれ、7600立方メートル、1330トン、260トンとなっている。付属施設と合わせた建設費は約2000万ポンドで、サイトの閉鎖プログラム全体のうちLLW管理用の総コストは1億1000万ポンドに達すると見積もられている。

廃止措置段階でこれまでに生じたLLWは、現在、サイト内のコンテナで貯蔵中だが、規制上の承認等を経て今年後半にも最初のコンテナがドーンレイから同貯蔵所に移される予定。満杯になった時点でこれらの貯蔵所は隙間充填材で埋め戻し、後の世代に影響を及ぼさないよう頑丈なブロック状とする計画だ。

また、後続の貯蔵所建設は、サイト閉鎖プログラムの審査により、後日決定するとしている。


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