学会、大飯判決に反論 人格権おかさない 原子力利用 専門家集団として見解

日本原子力学会は27日、福井地方裁判所による関西電力大飯3、4号機の運転差止め判決に関し、原子力技術の専門家集団の立場から見解を発表した。今回判決に関し、福島第一原子力発電所事故で、「事故原因が究明されていない」との指摘については、同学会事故調査委員会が3月に取りまとめた最終報告書で、「直接原因のみならず根本原因まで明らかにしている」と反論している。

また、ゼロリスクを求める考え方については、科学技術のもたらすリスクと、その恩恵とのバランスで社会はリスクを受容していると述べ、「事故の再発防止は可能である」ことから、「原子力利用は人格権を犯すものではない」として、判決を不適切とする考えを示している。

さらに、「工学的な安全対策を否定する考え方は不適切」として、現代社会が様々な形で科学技術の恩恵に浴し、それらの科学技術のほとんど全てに工学的な安全対策が用いられている現状にあるなかで「原子力発電所のみ、工学的安全対策を認めないと言う考え方は公平性を旨とする裁判所の判断として不適切」との考えを示している。


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