気候変動など人類に警鐘 HPに見る有識者見解 「私のメッセージ」で

福島の復興、日本経済再生への貢献を掲げ、有識者らの賛同により13年10月に発足した「原子力の安全と利用を促進する会」は、ウェッブサイト(http://www.p−nsu.org/)上で、同会会長の有馬朗人氏(元文部大臣、元東京大学総長)他、設立発起人による「私のメッセージ」を順次掲載している。

まず、有馬氏は、エネルギー問題として、第一に、「化石燃料はいずれ無くなる」ことをあげ、さらに、「地表温度が4℃上昇すると人類は10億人しか住めなくなる」などと、地球温暖化問題にもつなげた上で、今後、世界の人口が100億人に達しようとする中、解決策として、原子力に関しても、科学的、技術的、数値的に議論し進めていく必要を述べている。

また、元読売新聞論説委員の中村政雄氏も、化石燃料の大量消費による地球温暖化を全地球的問題と危惧し、これに伴い、南太平洋のマーシャル諸島は、海面上昇・海岸浸食が進み沈没の危機にあるほか、日本列島の海岸消滅をも予測する専門家がいることを述べ、海洋でも、CO吸収により、産業革命前と比べ、酸性度が30%以上も上昇し、海洋生物への影響が出始めているなどと警鐘を鳴らしている。

原子力発電の再稼働に関しては、JR東海名誉会長の葛西敬之氏が、安定的経済成長と安全保障に応える大前提は、「自前の基幹エネルギーであり、日本にとってそれは原子力以外にない」と明言し、火力の燃料費増による国富流出、混迷する中東情勢などから、「再稼働は急務」とのメッセージを発している。

原子力界と社会との建設的な関係構築に向けては、三菱マテリアル名誉顧問で日本原子力文化振興財団監事の秋元勇巳氏が、「文明論的意義が社会に浸透しているとは言い難い」などとした上で、まず、放射線被ばくに関する誤解・不安を取り除くことを必須ととらえ、小中学校での放射線教育の本格化により、次世代を担う若年層の理解が高まることに期待を寄せている。

この他、元北海道大学教授の石川迪夫氏は「仏教受入れに100年の歳月…原子力はまだ道半ば、焦らず着実に」、元原子力委員で評論家・ジャーナリストの木元教子氏は「手塚治虫さんが語った、科学技術文明に見る安全と利用」、大阪大学名誉教授の宮ア慶次氏は「脱原発でエネルギー文明の行方は何処へ」と題するメッセージを発信している。


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