60年の運転認可更新を申請 スペインのガローニャ原発で

スペインのニュクレノール社は5月27日、昨年7月に閉鎖したサンタマリア・デ・ガローニャ原子力発電所(BWR、46.6万kW)の運転認可を2031年3月まで60年間に延長する申請書を産業エネルギー・観光省に提出した。同国の内閣が今年2月、安全性や放射線防護上の理由以外で閉鎖された原発について、運転終了後1年以内であれば認可の更新申請が可能となるよう規制修正した王国令を承認したことによるもの。

同炉がGE社製であることから、ニュクレノール社は運転認可更新に関する米国の現在の原子力規制慣行に合わせて運転期間を設定したと説明。米国の技術による原発という事実はスペイン原子力安全委員会(CSN)が同炉で長期的な運転が可能であるか技術評価した際にも参照されたと指摘した。また、同炉の運転プロジェクトを実行可能なものとし、必要な投資を行う際に適切な安定性と確実性を保証するには、これだけの運転期間が必要だとしている。

申請書と合わせてニュクレノール社は認可更新の要件遵守を保証する文書を添付。同炉を長期間安全に運転するために必要な構造物や機器の管理能力があることを確証する内容であるほか、ストレステストでCSNから指摘された設計上の改良や投資計画についても記述しているとした。

一方、同社は燃料の再装荷前に、CSNから要求されていた発電所の改良も行う方針。具体的には電気系統の分離やガス処理システムの導入、防火対策などが含まれるが、必要経費は1億ユーロを超えるとの見方もあり、再稼働実現までの見通しは不透明だ。

同原発は1971年に運転を開始。09年の運転認可更新時、CSNはいくつかの安全上の条件を満たせば19年まで操業が可能と明言していた。しかし、ニュクレノール社は13年から課せられる税金を回避するため、13年7月以降の認可更新を申請せず、12年12月で操業を停止。13年5月には運転再開を実現するために省令の一部修正を政府に要請したが認められず、同年7月6日に閉鎖していた。


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