JT−60SA 真空容器の組立て着々 2019年3月運開へ ITER補完の役割も

日本原子力研究開発機構那珂核融合研究所は4日、超伝導トカマク型核融合実験装置「JT‐60SA」の真空容器組立状況を報道陣に公開した。

真空容器は、高純度のプラズマを作るための要となる部分で、高さ6.6mのD字状の真空容器セクター10片を溶接して中が空洞の外径約10mのドーナツ形に組み立てていく。1月に日本が製作した下部のポロイダル磁場コイルを据え付けており、5月から組立架台を設置して真空容器の組立に取りかかり、既に2片が据えつけられた。2015年7月までに残り7片を据えつけ、磁場コイルを装着した後に最後の1片を据えつけ閉じていく。運転開始は2019年3月をめざす。

JT‐60SAは、国際熱核融合実験炉(ITER)計画の幅広いアプローチ活動として日欧共同で実施するサテライトトカマク計画と、わが国で検討を進めてきたトカマク国内重点化装置計画の合同計画で、日本と欧州が分担して各機器を製作。ITERの約半分の大きさのJT‐60SAで先行して臨界プラズマ条件を長時間維持する実験を行い、成果をITERへと反映していくことにしている。


お問い合わせは、政策・コミュニケーション部(03-6812-7103)まで