欧州理事会・代表委が安全指令改定を了承 17年から定期ピアレビュー導入

欧州理事会の常駐代表委員会(COREPER)は11日、2009年の原子力安全指令を改定するという欧州委員会(EC)提案に加盟各国が合意したことを確認し、了承したと発表した。改定版安全指令は福島第一原発事故の教訓、その後にEU域内の原子力発電所で行われたストレステスト、および最新の国際的な安全基準に基づいており、欧州議会も今年4月、同提案に対する支持見解を承認していた。欧州理事会が正式に同提案を採択すれば、2017年から域内で6年毎のピアレビュー制度実施が義務付けられるほか、一般市民に対する原子力施設の安全情報公開を改善するなど、安全性と透明性の継続的な促進に寄与していくと見られている。

改定版の安全指令は、潜在的な原子力事故の影響を抑えるとともに、原子力施設の立地から設計、建設、起動、操業、廃止措置に至るすべての段階で安全確保にとりくむという目標をEU全域レベルで導入することを目指す内容。昨年6月にECが提案していたもので、各国規制当局の役割と独立性を一層強化するほか、原子力施設周辺の規制当局間で緊密に協力・協調、情報交換するよう促している。

また、一般市民への情報提供に関する条項は、どのような種類の情報を開示すべきかなどの点でより具体的だ。これに加えて、一般市民は原子力施設に関する意思決定プロセスの関連段階で、各国毎に異なる枠組の範囲内で参加する機会が得られるとした。

同指令はさらに、施設のモニタリングと経験の共有強化を謳っており、加盟各国は特定の合意項目に関するピアレビューを2017年にスタートした後、少なくとも6年毎に継続実施することが求められる。各国はまた、少なくとも10年毎の定期自己評価を国内の枠組と規制当局の中で手配。原子力安全を継続的に改善していくため、関連部分で国際ピアレビューの実施要請も可能だ。

改定版指令は理事会の正式承認を経てEU官報に掲載されるが、その後20日で発効。各国はそれから3年以内に指令内容を国内法に組み込まねばならない。


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