英国が中国と民生用原子力等で協力強化 中国製原子炉導入も視野に

英国エネルギー気候変動省(DECC)は17日、英国と中国の両政府が民生用原子力と温暖化防止の両分野における協力強化で協定に調印したと発表した。英国が進める原子力新設計画への中国企業参入に道を拓くとともに、将来的に中国製原子炉の導入も視野に入れた内容。現在、英国で最も進展しているヒンクリーポイントC計画に、中国の原子力2企業が30〜40%出資するという昨年10月の両国政府間の協力覚書が具体化することになる。このような中国からの投資拡大により、英国政府は今後数年間に国内で数億ポンド規模の経済効果が期待できるとしている。

これら協定への調印は、中国の李克強首相によるD.キャメロン首相との年次会談に合わせて英国で行われた(=写真)。両国政府の共同声明によると、今回の両国間の戦略的連携強化分野の中でもエネルギー分野の協調は主要な柱という位置付け。クリーンで低炭素なエネルギーへの移行、将来にわたる潤沢で盤石なエネルギー供給が目的であることから、両国の民生用原子力協力強化を歓迎するとした。

今後は両国の企業が双方の民生用エネルギー・プロジェクトに参加可能になるため、英国の原子力新設計画に対する中国の投資と参加、その他の原発サイト開発を中国企業が主導する道が拓かれる。また、英国規制当局による厳しい要件を満たせば、中国製の原子炉を中国が英国で所有・運転する可能性もあると明言。この連携を通じて英国に参入する企業は英国原子力市場におけるビジネスチャンスを最大限に活かす最良の立場を将来的に占めるとの認識で両国は一致した。

また、両国とも可能な限り早急にヒンクリーポイントC計画を成功に導けるよう協同準備を整えているところ。原子燃料供給チェーンでより良い協力関係を築くための協定調印や、廃棄物処理・廃止措置を含めた分野の協力促進で合意に達したことを歓迎している。

一方、温暖化防止に関する協力促進協定は、両国がこの分野で初めて調印したもの。温室効果ガスの排出削減とエネルギー供給保障強化を目的とした両国による広範な協同作業の一部分で、2015年にパリで開催される国連気候変動枠組み条約・締約国会議の場で、法的拘束力を持った世界レベルの意欲的な対策策定で合意に達するよう努力を傾注する。

共同声明の中で英国は、原子力を将来的な低炭素エネルギー・ミックスで主要部分を担う確実で信頼性の高い技術であると表現。今回の声明はこの分野で中国側と協力を継続していく基盤になるとしたほか、廃棄物管理や廃止措置、研究開発などの民生用原子力に関する一層広範な課題について協同作業の拡大を期待するとしている。


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