学会新会長に藤田氏 事故の教訓 「規制委に進言する機会」も

日本原子力学会の新会長に就任した藤田玲子氏(東芝電力・社会システム技術センター首席技監=写真左、〈右は、堀池寛前会長〉)が6月25日、同学会本部(東京・港区)で記者会見を行った。

藤田氏は、学会の福島第一原子力発電所事故に関する調査委員会が3月に取りまとめた最終報告書の提言事項を実施、フォローすることを第一のミッションに掲げており、事故から得た教訓の反映に関して、今後、「原子力規制委員会に進言する機会を設けていきたい」との見解を示した。

また、現在、再稼働に向けてネックとなっている発電所敷地内の活断層問題については、「色々な意見を幅広く聴いてディスカッションしていく必要がある」などと述べた。

学会が被災地の視点に立って情報提供や環境修復への助言などを行う「福島特別プロジェクト」については、今後、除染活動の進展も踏まえ、南相馬市での稲作試験、子どもの健康に関する講演会の開催など、引き続き、積極的に進めていくとしている。

さらに、事故を受けて、原子力を志す学生が減少傾向にあるのではという記者からの質問に対し、藤田氏は、今後、新たに原子力を導入しようとする海外の動きから、世界に貢献するインセンティブの向上をはかると同時に、「夢を持てるテーマを提供していく」必要性などをあげた。


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