世界の英知集まる拠点に 文科省 廃炉国際共同研究センター

文部科学省はこのほど、福島第一原子力発電所廃止措置研究開発の加速プランを発表した。科学技術を所管する立場から、産学官一体となって先端的技術開発を推進し、廃炉、福島復興に貢献するため、遠隔操作技術実証施設(モックアップ施設)と放射性物質分析・研究施設に加え、以下の4機能を有する研究開発・人材育成の拠点となる「廃炉国際共同研究センター」(仮称)を構築するものだ。

(1)国際共同研究拠点機能 国内外の大学や研究機関、企業等、産学官が一体となって国際的な共同研究室(半数は海外機関)を設置。

(2)研究支援機能 廃止措置等に資する広い分野の研究に対する国際共同研究推進制度を産学官が一体となって創設。実用化に向けた目利きコーディネーター機能も同時に付加。

(3)人材育成機能 学部生・大学院生を対象とした国際的産学連携講座を設置。原子力、土木、ロボティクス等、幅広い分野に関して国内外の参加大学による単位の授与も実施。

(4)情報発信機能 拠点内で得られた研究成果や技術は、国際的にも得難い財産であり、科学技術としても国際発信すべきものであるため、原子力機構が廃炉等に関する国際版データベースとして整備し、国際公共財として共有。

「廃炉国際共同研究センター」は、廃炉技術に関する一元的マネジメントを図るため、13年8月に設立された「国際廃炉研究開発機構」(IRID)や、原子力損害賠償支援機構が名称を改め廃炉支援業務も担うこととなる「原子力損害賠償・廃炉支援機構」とも連携し、産学官一体となって、世界の英知を結集した廃炉に関する研究開発・人材育成の「実践の場」を構築し、現場に早期の技術提供を図り工程を加速化させるほか、専門人材の中長期的な安定的育成・供給に貢献することが期待される。


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