外国籍のプル 所有権取得政策を促進 英国 プルトニウムの国内管理で

英エネルギー気候変動省(DECC)のM.ファロン・エネルギー担当閣外相は3日、英国内での再処理後に保管している諸外国のプルトニウム(Pu)を英国所有のものと同様に管理するという政策を加速するため、新たに2か国分の所有権を取得する方針だと明言した。議会に対する声明書の中で明らかにしたもので、返還輸送に伴うセキュリティ上の重要対策になるとともに、より多くの民生用Puを国レベルでコントロールすることで、英国での究極的な管理にも大きく影響するなどの利点があるとしている。

英国政府によれば、国内にある外国企業のPuは元々、英国政府が受入可能な通商条件に従い、英国のPuと同様に管理されるはずのもの。放射性廃棄物を管理する原子力デコミッショニング機構(NDA)は今回、DECCとの合意により、(1)スウェーデン事業者の約800kg(2)ドイツ研究機関の約140kg――の所有権を取得する。

これらの取引は、EU加盟国に核燃料の市場情報や助言を提供するユーラトム供給局も了承済みで、新たなPuが英国内に持ち込まれて総在庫量が膨らむことはない点を保証した。

DECCはまた、これらの取引によりコスト効果の高い有益なアレンジが可能になるとしており、国内で長期的に管理する見積コストを十分相殺できる、未履行になっていたスウェーデン事業者との契約が締結される、などと説明した。

DECCのこうした政策に従い、NDAは今後も英国における再処理契約で発生するPuの所有権の交換について、その他の国々とも交渉を続けていく。実際、昨年4月にNDAは今回と同様の理由により、英国内にあったドイツ、オランダ、仏国の所有Pu、それぞれ750kg、350kg、1850kgを引き取るとともに、ドイツのPu650kgの所有権を日本に変更。このような取引では英国政府の承認に加えて、関係国の政府と規制当局の同意および、ユーラトム供給局の合意が如何なる契約を履行するにも必要となっている。

英国のPu管理政策

英国には昨年12月末現在で123トンの民生用Puが保管されており、このうち23.4トンが外国企業の所有だ。これらを長期管理する3つの方策案を公開諮問に付した結果、政府は2011年12月、MOX燃料としての再利用オプションが適切であることが確認されたと明言。その一方で、財政的に一層望ましい代替オプション案も募集しており、これをCANDUエナジー社製の「改良型CANDU6」、GE日立社製の「PRISM」高速炉で再利用するオプションについて、技術調査をさらに1〜2年進めると今年1月に発表している。


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