建設許可申請の準備作業 仏の処分場建設で予備調査発注

仏国で放射性廃棄物深地層最終処分場「CIGEO」を建設する予備的研究作業として、放射性廃棄物管理機関(ANDRA)は1日、廃棄物パッケージの輸送・取扱いに関する技術的手順の調査と詳細設計を国内エンジニアリング企業のAssystem社、Cegelec社、およびSpretec社に発注した。

同処分場の建設許可申請に先立ち、まず最初の5か月間でCIGEOのシステムや手順など、建設プロジェクトの産業的な実行可能性を確認するのが目的。Assystem社はパートナー企業との作業ロードマップ作りも担当するが、3社として請け負った4年契約の総額は2000万ユーロになるとしている。

仏国では東部のムーズ県とオートマルヌ県にまたがるビュール地区に約135億〜165億ユーロの予算をかけて高レベル放射性廃棄物(HLW)と長寿命中レベル廃棄物(LLILW)を地下500mの深地層の粘土層に少なくとも100年間、回収可能貯蔵する計画。25年からの操業開始を目標に、ANDRAは昨年5月から12月までCIGEO建設に関する公開討論を実施した。

そこで聴取した様々な見解を勘案し、ANDRAは同プロジェクトに関するフォローアップ報告を今年5月に公表。それによると、4つの点でプロジェクト内容を変更したとしている。すなわち、(1)施設の開業時に3期間に区切った「産業試験段階」を設けることとし、最初はダミー・パッケージを、次に少数の実廃棄物パッケージを搬入した後、HLWとLLILWを徐々に処分していく。

また、(2)CIGEOの操業期間にANDRAが実施すべき事項の仕様書となる「マスター・プラン」の策定を提案。これは10年毎に国が審査し、改定可能とする。

(3)は「スケジュールの策定」で、ANDRAは15年に国に対してマスター・プラン案を、規制当局には安全オプションと技術的な回収可能性オプションに関する文書を送る方針だ。これらの情報や詳細調査に基づいて17年末までに建設許可申請を行い、20年までに許可を取得。20年の着工後、25年に産業試験段階に入るとした。

(4)としては同プロジェクトの意思決定プロセスにおける市民社会の関与を明記。同プロジェクトとその影響、リスク管理や回収可能性などについて理解を深めることになるとしている。


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