最大98%の減容可能 神鋼Sなど 汚染土壌中間貯蔵に向け

廃棄物処理技術開発を行う神鋼ソリューションは2日、国立環境研究所と共同で、放射能汚染土壌にセシウム除去剤を添加し、加熱化学処理を行うことで、放射性セシウムを除去し、汚染土壌を最大98%減容化する技術を開発したと発表した。今後、中間貯蔵施設に搬入される除去土壌などの除染・減容化への応用が期待される。

このほど開発した技術は、放射能汚染土壌として、(1)土壌中に吸着されたセシウムと土壌成分との吸着能力が阻害される可能性の高い高濃度の有機物を含む除去土壌(2)長期管理にコストを要し最終処分に向けて将来減容化が必要となる可能性がある高濃度汚染土壌(3)除染廃棄物の焼却により多用の排出が予想される高濃度汚染主灰――を対象としている。

実験では、実際に汚染された除去土壌を使用し、粗粒分、細粒分、有機物に分級した後、放射能濃度の高い細粒分にセシウム除去剤を添加し、草木類などの有機物とともに、加熱化学処理することにより、放射性セシウムを効率よく除去させ、最大98%の減容化に成功した。

本技術の特徴としては、放射能濃度の高い細粒分を洗浄・分級することで、加熱処理工程に投入するエネルギーが低減でき、比較的低温で処理することから、土壌性状が大きく変化せず履土や盛土への再利用が容易なことなどがあげられており、今後、実用化に向けては、設備のスケールアップ、浄化土壌の再利用先の確保などが課題となっている。


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