原子力小委 米国産業にも重要 米DOE高官 原子力投資の継続

総合資源エネルギー調査会の原子力小委員会(委員長=安井至・製品評価技術基盤機構理事長)は11日、元米国エネルギー省副長官のウィリアム・マーチン氏と、国会事故調査委員会の委員長を務めた黒川清氏(東京大学名誉教授)を招きヒアリングを行った。

中曽根・レーガン外交の頃から日米エネルギー協力に係ってきたマーチン氏は、原子力が堅調に稼働し、石炭やLNGを欧州・アジアに輸出している米国とは逆に、1次エネルギーに占める原子力の比率、エネルギー自給率ともに、近年急降下している日本の現状を対比し、中東産原油の動向など、世界のエネルギー情勢の変化も踏まえ、供給源を多様化する必要を日本に対し訴えかけた。また同氏は、今後の電力自由化に向けた原子力のあり方、使用済み燃料管理、再処理の重要性にも言及し、引き続き、日本が原子力技術に投資していくことが、米国原子力産業にとっても重要なことを述べた。

一方、黒川氏は、12年7月の国会事故調報告書取りまとめを振り返り、その後の、海外アカデミアとの交流を踏まえ、世界から見た日本組織のガバナンス面の問題点として、アカウンタビリティの欠落を指摘するなどした。その上で、原子力行政の信頼回復に向けた要件として、世界の規制機関との対話・連携を掲げ、人材交流などを通じ、「共通の言語」を醸成しておく必要を強調した。


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