家庭用給水器を販売 倉敷繊維加工 セシウム捕集材組み込み

衣料・産業用不織布メーカーの倉敷繊維加工は1日、セシウム捕集材を組み込んだ家庭用給水器「クランセールR」を製品化、月産1万個の量産体制を整え、7月より販売を開始すると発表した。原子力災害被災地域に飲み水の安心を確保し、早期復興への手助けとなりそうだ。

倉敷繊維加工は、日本原子力研究開発機構とともに、電子線グラフト重合の技術により、セシウム捕集材を共同開発し、井戸水や沢水を飲用水として利用する川内村の家庭で1年間モニター試験を行い、除去効果を確認している。

従来、水に溶けたセシウムを除去する方法として、主に用いられていた凝集沈殿法では、使用後の廃棄物発生や、極めて低い濃度のセシウム除去が困難という問題があったが、共同開発された捕集材は、倉敷繊維加工製の酸・アルカリに強く、軽量で加工性の良いポリエチレン製の不織布素材に、原子力機構の技術でセシウムに親和性の高いリンモリブデン酸基を導入し、これらをクリアした。


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