除染を完全自動化へ 岡山大など 被ばく低減等効果期待

岡山大学の研究グループは3日、放射能汚染土壌の除染で、作業員の被ばく低減化、作業効率向上につながる完全自動ロボットシステムを開発したと発表した。ろ過機、ポンプの製造・販売を行う(株)石垣と共同開発したもので、3次元対象物の認識方法として、「MOS(move on sensing)システム」を適用することにより、汚染土壌をろ過するろ布の交換作業を行うロボットの正確な動作を可能にした。

石垣では、汚染土壌の洗浄再生・減容化技術で、80%程度の洗浄再生土を回収し、20%の高濃度濃縮汚染残土を生産するシステムで、後者を固形・減容化するフィルタープレス技術を開発し、実証実験に成功しているが、作業員被ばく低減化対策として、ロボット自動化が不可欠だった。

このほど、一連の作業を自動化したことで放射能の濃縮レベルを上げて高濃度に濃縮することも可能であり、(1)作業者の被ばく低減化(2)大量・長期間処理作業の全自動化による作業効率向上(3)中間貯蔵処理施設の合理的運用ならびに将来的(20〜30年後)な最終処分作業ならびに施設運用の合理化に大きな効果が期待されるとしている。

今後、研究グループは、ロボットシステムの実用化に向け、石垣と研究開発を進めていくこととしている。


お問い合わせは、政策・コミュニケーション部(03-6812-7103)まで