二段階避難の有効性判明 福井県 4原発対象に試算結果

福井県は29日、原子力災害時における住民避難に要する時間のシミュレーション結果を発表した。

同県に立地する敦賀発電所、美浜発電所、大飯発電所、高浜発電所を対象とし、5km圏内(PAZ)と30km圏内(UPZ)で、それぞれの90%の住民が30km圏外へ避難完了するまでの時間を避難行動、自主避難率、自家用車避難率、時間帯、季節ごとに試算。その結果、最長パターンではPAZ圏で9時間10分、UPZ圏で15時間50分かかることが判明した。

避難時間の傾向としては、PAZ圏住民避難完了後にUPZ圏住民が避難する二段階避難を実施する方が、一斉避難よりもPAZ圏住民が短時間で避難でき、最大で5時間20分の短縮、逆に、避難指示を待たず自主避難する率が増えるほど渋滞等が発生しやすくなり、PAZ圏の避難所要時間が長くなった。また、自家用車避難率を少なくすれば全域の避難所要時間が短縮されるが、バスの確保が必要といった課題が明らかとなった。


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