ルーマニアの増設計画で協力 カナダと中国

カナダのCANDUエナジー社は24日、ルーマニアのチェルナボーダ原子力発電所3、4号機として納入するカナダ製加圧重水(CANDU)炉の建設作業について、中国の中広核工程有限公司(CNPEC)と拘束力のある独占協力契約を結んだ。同建設計画には中国広核集団有限公司(CGN)がすでに出資の意向を表明済みであることから、子会社の総合エンジニアリング企業であるCNPECの具体的な動きとなって表れたと見られている。

チャウシェスク政権の崩壊に伴い、1991年に中断した3、4号機の建設計画では出力72万kWの「CANDU6」の採用が決まっていた。しかし、経済不況により仏GDFスエズ社など欧州の4社が同計画から撤退。ルーマニア国営原子力発電会社(SNN)によるプロジェクト会社への出資比率が8割を超えたことから、SNNは昨年11月、同計画に出資するというCGNの意向表明書に合意・調印していた。

CANDUエナジー社の親会社のSNCラバリン社は今回の契約について、「当社が原子炉を納入し、CNPECが建設作業を行うという協力になる」と述べた模様。チェルナボーダ原発ではすでに、CANDU6型炉が2基稼働中だが、3、4号機用の設計は福島第一原発事故の教訓を踏まえた安全基準に適合するよう改良する方針を明らかにしたと伝えられている。


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