PRISMで余剰Pu再利用 イベルドローラがGEHと協力

スペインの原子力発電事業者であるイベルドローラ社は21日、GE日立ニュークリア・エナジー(GEH)社の「PRISM」高速炉を使った英国の廃棄物再利用技術開発プロジェクトに加わることになったと発表した。

PRISM炉は英国で抽出された余剰プルトニウム(Pu)を再利用する長期的で確かな解決策の1つと同国政府から認識されており、イベルドローラ社はこの日、GEH社との協力覚書に調印。今後は英国原子力デコミッショニング機構(NDA)とともに、PRISM炉で余剰Puを発電に利用するオプションを分析していく考えだ。

NDAは今年1月に国内のPu管理計画に関する状況報告書を公表。その中で、政府は余剰PuをMOX燃料に転換して軽水炉で再利用することが最も望ましい管理方法だとする一方、CANDUエナジー社製の「改良型CANDU6」、およびPRISM炉で再利用する方法についても調査を技術的な段階に進める方針が示されていた。

GEH社の最初の見積によると、第4世代の原子炉技術であるPRISM炉の炉寿命は少なくとも60年と見込まれ、英国全体で100トン以上というPuを25年でリサイクルすることが可能。安全で確証済みの成熟した技術を採用していることから、イベルドローラ社は同炉の開発によって、Puの形で使用済み燃料に残存する潜在的なエネルギーを低炭素な発電に活かす革新的でクリーンな解決策が得られるとともに、英国内の雇用やスキルに対する大規模投資につながるとした。

同社はスペイン国内で稼働する原子炉7基すべてに出資するほか、エンジニアリング・サービスの提供にも従事。英国では6大エネルギー事業者の1つであるスコティッシュ・パワー社を07年に子会社化するなど、同国における専門的知見を有すると自負している。


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