共同研究で廃棄物減容も 原子力機構/三菱重工他 仏と次世代炉協力開始

日本原子力研究開発機構、三菱重工業、三菱FBRシステムズ(MFBR)は7日、フランス原子力・代替エネルギー庁(CEA)、AREVA NPと、同国が2025年頃の運転開始を目指し開発を進めている次世代炉ASTRID計画とナトリウム高速炉技術開発協力に関する実施取決めを締結した。安倍首相の5月訪仏時に署名された高速炉技術開発協力に関する政府間取決めに基づくもの。

次世代炉ASTRIDは、CEAが放射性廃棄物の減容・有害度低減のため、長寿命放射性核種分離・変換の産業化の見通しや技術開発の現状を整理した報告書の中で、ナトリウム冷却高速炉(SFR)が今世紀前半に配備する最良の解決策と評価されていることを受け、技術仕様が決定されたプロトタイプ炉(電気出力60万kW、MOX燃料)で、13〜15年に概念設計、16〜19年に基本設計、19年末に建設判断となる計画だ。

今回締結した取決めは、ASTRIDの設計、研究開発段階までを対象としており、原子力機構、三菱重工、MFBRとが設計協力やR&D協力を分担しながら、日仏相互の優位な技術を活かしSFRの安全性向上のための共同設計を実施する。

フランス側は、日本の持つ炉心での過酷事故に関する解析コードに関心を示しており、これらを含めた安全性や、燃料に関する協力、「もんじゅ」の燃料特性など、原子力機構の施設を利用した共同研究の実施が期待されており、今回の協力を通じ、日本としても、放射性廃棄物の減容・有害度低減に資するSFR技術の実証を推進していくこととなる。


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