ABWRの認証審査、第3段階に 英規制庁「2017年末に完了へ」

英国の原子力規制局(ONR)と環境庁(EA)は8月28日、日立GEニュークリア・エナジー社が英国内で建設を計画している英国仕様のABWR設計について、包括的設計審査(GDA)の第2ステップを完了し、次の段階に移行すると発表した。

設計や安全・セキュリティ面で初期的なハイレベル評価をクリアしたことから、これらの観点について今月から最長12か月間、総合的な評価作業を第3ステップとして実施。日立GE社が受容可能な文書を適時に提出すれば、UK―ABWRの審査作業は2017年12月に完了するとの見通しを示している。

2012年にホライズン・ニュークリア・パワー社を買収した日立は、同社を通じて英国西部のウィルファとオールドベリーの2サイトで合計4〜6基、少なくとも540万kWの原子力発電設備の建設を計画。採用設計である130万kW級ABWRが安全・セキュリティと環境保全および廃棄物管理の面で英国の基準を満たしているかについて、4段階で評価する約4年間のGDA審査が昨年4月に正式に始まっていた。

ONRらによると現段階では、英国におけるABWR設計の利用を阻むような安全セキュリティ上、環境上の根本的な課題は特定されていない。第2段階の作業全般を通じて日立GE社の対応は迅速かつ良好であり、建設的な課題への取り組み姿勢もオープンだったとONRは評価。EAも、同社が提供情報の内容と正確さの管理で適切なシステムを有することを確信したと述べるとともに、ABWRを建設した場合の住民への放射線影響は英国の許容線量を下回ると結論付けた。

今後のGDA審査は一層詳細な評価段階に移行するが、ホライズン社も規制当局による今回の裁定を受け、今月から最初のパブリック・コメント募集を開始。2020年代前半に最初の原子炉で発電を開始するという計画は日程通り進展中だと強調した。


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