ベースマットのコンクリ打設が完了 ITER計画

南仏カダラッシュで国際熱核融合実験炉(ITER)の建設・運転計画を進めているITER機構は8月27日、トカマク複合施設を支えるベースマットの最終区画でコンクリート打設を完了したと発表した(=写真)。広さ90m×130mの土台部分を15分割した最初の1区画で昨年12月にコンクリートを打設してから約9か月、作業はいよいよ重さ36万トンという大型建造物となる同複合施設の建設に入る。

免震ピットの役割を持つこの土台部分は2010年〜12年の間に掘削され、支持構造物により地盤を補強。その中に厚さ1.5mのコンクリート製ベースマット(B2スラブ)と擁壁が建造物と機器を地震動から防護するために設置された。ベースマットの水平面レベルに打ちこんだ493本の円柱には、金属とゴムの層を交互に重ねた厚さ20cmの免震ベアリングを被せており、10cmの側方運動に耐えられる計算。地震動とリンクした加速度を吸収・ブロックすることができる。

今後建設するトカマク複合施設はメインの実験炉棟と、これを挟んで両脇に併設する診断棟とトリチウム棟の3施設で構成され、これらを格納する建屋は高さ80m、長さ120m、幅80mを予定。このために1万6000トンの鉄筋、15万立方メートルのコンクリート、および7500トンのスチールを使用する計画だが、完成は2016年になる見通しだ。


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