鉛冷却高速炉で実証炉詳細設計 ロシア

ロシアのエネルギー技術研究所(NIKIET)は1日、鉛冷却高速炉(LFR)のパイロット実証炉「BREST―300」(30万kW)の詳細設計が完了したと発表した。来年から2016年までに、同設計の審査結果やモックアップ装置とパイロット試料による機器性能の実験結果を基に、これをさらに改善。トムスク州セベルスクにある「シベリア化学コンビナート」での建設を目指す。

LFRは中性子の吸収量や廃棄物の発生量が少ないほか、ボイド係数が負であるため安全性が高いなどの長所があるが、冷却材配管が腐食するといった欠点があるため、高速炉開発においては第1候補とならなかった。

しかし、2010年に発表された政府戦略により、高速炉は今後10年間の優先開発技術と位置付けられ、LFRも連邦目標プログラム「2010〜15年および20年までの次世代原子動力技術」の1つとなった。NIKIETの親会社であるロスアトム社はLFRによるクローズド燃料サイクル技術を確証するために20年までにBREST―300を開発するとし、同炉およびその燃料となるMOX燃料のパイロット製造工場の建設計画を2012年に公表。NIKIETの25部門以上、および産業界から35の企業や組織が今回の設計技術開発に携わったとしている。


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