ESBWRに設計認証 発給 米規制委が最終規則承認、2件の計画に弾み

米原子力規制委員会(NRC)は16日、GE日立ニュークリア・エナジー社製ESBWR(高経済性・単純化BWR)の設計認証(DC)審査で最終規則を承認した。これにより、同設計はNRCの安全・規制要件をすべて満たした標準設計の1つとして、米国での建設が許されることになる。現在、建設・運転一括認可(COL)審査中の新設計画の中では、DTEエナジー社のフェルミ3号機計画とドミニオン社のノースアナ3号機計画で採用が想定されており、これらにCOLが発給される条件の1つが整った。同最終規則は今月末までに連邦官報に掲載された後、30日で発効する。

出力159.4万kWのESBWRはABWRを進化させた第3世代プラスの原子炉設計。自然循環を利用した受動的安全系により、事故で電源を喪失した原子炉を運転員の介入なしで7日間以上冷却することが可能だという。

GE日立社は2005年8月にESBWRの設計認証審査を申請しており、NRCは同設計について広範な技術評価を行った結果、安全面と技術面での承認である安全評価報告書を11年3月に発行。今年5月には、蒸気乾燥機の設計分析における変更点を補足する認証規則案を意見公募に付していた。

GE日立社のC.リーダ社長兼CEOは、「ESBWRがいよいよ現実の物になる」とコメント。ESBWRの認証は米国内の顧客に恩恵をもたらすだけでなく、同設計を世界中で商業展開していくための重要な前進になるとの抱負を述べた。

フェルミ3号機とノースアナ3号機の増設計画のCOLは現在、NRCが審査中だが、DTE社とドミニオン社はそれぞれ、15年と16年にCOLが発給されるとの見通しを示している。


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