中国企業の投資資格を認定 ルーマニアのチェルナボーダ計画

ルーマニアの国営原子力発電会社(SNN)は9日、チェルナボーダ原子力発電所3、4号機の完成計画について、中国広核集団有限公司(CGN)を「投資資格を有する企業」に認定した。

チャウシェスク政権の崩壊にともない91年に中断した同計画を完了させるため、SNNは08年に新たな管理会社を設立。同原発の2号機を参照設計とし、出力72万kW以上のカナダ製・加圧重水炉「CANDU6」を2基増設するとした。しかし、出資を約束していた欧州系企業のうち4社が経済不況等により11年1月に同計画から撤退。ルーマニア政府は共同出資が可能な新たな投資家を募集している。

CGNは11年10月に3、4号機完成計画への投資に関心を表明した後、13年11月にSNNと意向表明書(LOI)に調印。SNNによる投資家選定プロセスの第1段階である有資格証明文書の提出を、今月8日の締め切り日までに済ませていた。

有資格と認定されるには原子炉の建設経験に加えて原子力技術や専門的知見、原発の運転能力を有することなどが要件。また、ルーマニア政府とCANDU6技術の保有企業が欧州委員会(EC)に約束したレベルの安全性を保証するよう要請されていた。

さらに、同計画への十分な資金調達を保証できる財政能力が求められており、SNNの取締役会や関係閣僚委員会らはCGNからの証明文書を分析した結果、同社がこれらの要件を全面的に満たした有資格の投資家であることを明言。ただし、証明文書を提出したのはCGNのみだったと見られている。

今後の選定プロセスでCGNは、プロジェクト会社の創設と運営に関する交渉の開始に向けた新たな意向表明書を提出する。最終的に投資企業に決定した場合は、SNNの株主総会が8月に承認した同計画の継続戦略に基づき、同社はプロジェクト会社に51%出資する義務を負う一方、ルーマニア政府の持分は49%に抑えられる方針だ。


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